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丁寧な暮らし「ハレの日・ケの日」おもてなしの心と器の演出から健康食事

 

“丁寧な暮らしとおもてなしの心”器はもてなす側の気持ちのあらわれ

季節感を大切にする料理…“和の妙”を楽しめるおもてなしを心がけています。

歳を重ねて、慌ただしい子育ても終わっているからこそ、“和の妙”を求めるものなのかもしれません。

効率を求めていた生活をしていたことから、モノゴトに対しておもてなしの心が削がれてしまっているのではないか?…と自問自答するときがあります。

例えば、ビール1杯でも缶ビールからグラスに入れかえるるひと手間を加えるだけで、缶ビールでは感じられない香りや、グラスを感じる口元だけで、こんなにも味が変わるものなのか…と思うのです。

丁寧な暮らしは高価なモノを使用したり、時間をかけて何かを作り出すということではなく、何かを感じて自分の心に丁寧に接して暮らしているかということだと、私は思っています。

我家にお越しいただいた方々に、失礼なもてなしをすることなく、そして自分自身も無理をしないで自然に“もてなし”ができ、心地よく過ごしていただいているのか?

遊びに来ていただいた方々にホッとした時間を過ごしていただきたいと思って、用意をしています。

お客様に対しての“もてなし”は、招く側の気持ちが謙虚に表現されると、心理学的にも言われています。

大切に思っている人に対しては、無意識にそれに似合うモノを用意するものなのだそうです。

自分軸がどこにあるか?…ということが、人と接することに対してランクができてしまうとか…。

自分が大切な人は、自分が楽ができるように効率を求めます。

相手に対する対応の違いは、お茶ひとつ出すにしても、湯呑だけでお茶を出すか?茶たくを用意するか?蓋つきの湯呑に茶たくを用意するか?…と、その人の重要度がわかります。

茶たくが用意できなくても、小さいな和紙1枚を湯呑の下に敷いているだけで、心からもてなそうと思う気持ちは伝わります。

だから、食器の高級感や食材などの金額ではないのです。

もてなす側の心が謙虚に表れること以外にも、昔は食器によってお客様のランキングがわかるとも言われています。

日本やイギリスでは、階級によって使用する食器が違いましたし、使用する食器などのもてなしの考え方でその人の育ちがわかるともいわれるほど重要視されている時代もありましたし、現代でもあからさまに口にこそ出しませんが、企業においても取引先での重要な場面に連れて行かれる人と、連れて行かれない人と分けられてしまうのが現実です。

もてなされた側として、自分はどのようなランク位置にいるか?と現代風に表現すると、立ち食いそば(ファーストフード)系もてなしから・大衆食堂(ファミレス)系・レストラン系・料亭(高級レストラン)系と、どのように扱われたか?…と、もてなされた側のランクがわかります。

おもてなしやテーブルマナーなどの教育を母親から受けていないことで、社会や嫁ぎ先で苦労するという話をよく聞きます。

テーブルセットやマナー・もてなし方の教育を受けていないことから、自然にできなければならないことがわからないために、社会でそのような場に行った時、ひとつひとつのことに緊張しなければならないために、苦痛が伴い苦労するのです。

現代では学ぼうと思えば、書籍やネットなどですぐに調べることができるので、一通り目を通しておいた方がいいですね。

そして、おもてなしの心は、「ハレの日」と「ケの日」という、日本独特の文化から学べることでもあります。

「ハレの日」と「ケの日」丁寧な暮らしを考える

古来より日本人は「ハレ(晴れ)の日」と「ケ(褻)の日」に区切って生活をしていたと、民族学の柳田國男によって見出されました。

祭礼や年中行事などを行う日で晴れの日を意味する「ハレの日」、普段通りの日常を「ケの日」として、日常と非日常を使い分けていました。

たとえば「ハレの日」では、特別な日に着る衣装の“晴れ着”や、もてなしの料理では御重箱や漆塗りの器などを使って、お正月やおめでたい席で使うなど、今でもその習慣は残っています。

日本人は、「八百万の神」といって自然の中での木・火・水にも神様が宿っていると信じ、人々は祭りなどで感謝の気持ちを表したり、穢れ(けがれ)を落としてきました。

そんな清々しさが「ハレ」であり、「晴れ晴れした」とか、「晴れ姿」「晴れ舞台」などという気持ちを表した言葉がうまれたのです。

“穢れ”は、「気枯れ」すなわち「ケがカレた」状態とし、お祭りなどのハレの儀式でケを回復するという考え方から、日本人の暮らしのメリハリや心の影響と深いかかわりをもっています。

ストレスがたまる「ケの日」が続く日々の中で、「ハレの日」を通じて疲れた体と心を回復させていたのです。

ハレとケの生活が、四季の恵みである日常で素朴な食生活で健康を保ち、たまの祭り事で豪華な食事を撮ったりしてストレスを溜めないという、合理的な生活バランスだったのです。

そこには「衣食住」が大きく関連し、四季に応じて住居・衣類・器などの衣替えもありました。

日本人が日本の歴史を大切にし、伝統の精神というものを重んじることを忘れ、伝統を重んじることの出来ない人間になってしまうような生活の日々が、ちょっと情けなく寂しい気がします。

日本の心や志…おもてなしの心を置き去りにし、文化や価値観が失われてコミュニティーや歴史のもつ意味も大きく変わり、利便性や簡易性を求めた食生活は、決して豊かな食生活とは言えないのではないか…と、疑問を感じてしまうのです。

様々な伝統の書籍を読んでいると、私自身も「ハレの日」の食事や生活をとり続けているようで、反省しています。

歳を重ねて人生を折り返し点になっている今、こんなに素敵な日本の伝統があるのだから…もっと自分を大切に考えてみたいと思っています。

「ハレの日」から学ぶ“器の演出”と“健康”

現代でも日本の「ハレの日」は、普段とは異なった服装や食事をしますね。

「ハレの日」を特別な日と考えた場合、お正月は特別な日ですね。

人生に一度しかない「成人の日」は、「ハレの日」の晴れ着を着る方多いのではないでしょうか。

そして、小さなお子さんがいらっしゃる場合、わが子の誕生日では特別な料理を用意する方が多いと思います。

その他、節分、雛祭りから、新しく加わっているのはクリスマス、結婚記念日や子どもの日、母の日、バレンタインデーなども特別な日として意識されています。

器は料理を彩る

日本には、他の国には見られない多くの種類の器を使う文化があります。

多種多様な器を大事に使うことに関しては、日本ほど料理に合わせて多彩な器を楽しんできた国はありません。

そこには詫び錆び文化も関わる、春・夏・秋・冬という美しい四季があるからです。

ちょっと前まで、衣類と同じ「衣替え」のように、食器にも「器替え」がありました。

「ケの日」で使用している陶器や磁器だけでなく、「ハレの日」では漆器や檜や杉の木・竹の器からガラスの器と、自然界に存在する木の葉や美しい和紙まで季節感を演出するために、食材を彩る食器として用いています。

日本の食文化は、器と料理の関係そのものが伝統的な歴史で、日本の美しい四季の文化が生きづいていることが、日本の「おもてなし」の伝統と密接にかかわっています。

以前私は、モノを捨てるというブームに乗って、食器の処分を考えたことがありました。

一時、倉庫に多くの食器を片付けたのですが、その後全く料理が面白くなくなってしまった経緯があります。

その時から、様々な「器の文化」について調べてこの記事を書いていますが、結局、私にとって“器”とは、料理に合わせて器を決めるだけでなかったのです。

器と料理が織りなす食の世界や、器を前にして料理をあれこれ考える「取り合わせの妙」などを楽しみのひとつにしていて、おもてなしをするときに、相手を想って使用する器があることに気づきました。

おもてなし料理の栄養と器

お正月は日本人にとって、一番の「ハレの日」です。

元旦に「晴れ着」を着ることは少なくなりましたが、特別なご馳走を食べる方は多いのではないでしょうか。

冷蔵庫がない時代に、保存ができて健康に良く、様々な願いが込められてできたおせち料理が、現代でも同じように喜ばれるとは限らず、美味しいと思うものが少ないと様々な意見があると思います。

おせち料理を改めて栄養の角度で考えてみても、冬の季節に必要な栄養がたっぷりなのです。

お正月「ハレの日」のごちそうとして、おせち料理に込められた健康で幸せに暮らしていくという“願い”を意識して、少量を用意できる時代になっているので、“福”がいっぱい詰まっているおせち料理をいただいてください。

祭事に代表される料理は、その四季に応じた食材を使用して、栄養満点です。

日本の食文化にふれ、「ハレの日」のごちそうを器で彩って、日々を丁寧に暮らしてみませんか?

 

「ハレの日」と「ケの日」生活のメリハリが健康に繋がる

現代では毎日が「ハレの日」の食事とも言われ、それによって肥満や生活習慣病が増えていると言われています。

日本の食生活は明治維新以降に食生活の変化があり、食だけではなくすべての生活様式が第二次世界大戦後に大きく変わっています。

敗戦から立ち直った昨今の日本の食卓は豊かになった一面、毎日が「ハレの日」のご馳走のような食生活をおくるようになり、高度成長期・飽食の時代に突入しました。

当時は、何よりも幸せを手に入れたかのように感じられたでしょう。

「今日の晩ご飯はごちそうよ!」という感じで、家族揃ってお寿司やすき焼き・焼肉などを喜んで食べていましたが、高級な食事が格安で毎日のように食べられるようになっている現代では「ケの日」である日常になっています。

貴重で高級であるべき食事を、「毎日安く食べたい」という人間の欲求によって、安価の大量生産技術も進化しましたが、残念なことにその結果、肥満や不健康(生活習慣病など)はもちろん、日本の大切な伝統産業や農業・漁業の衰退や添加物の過度な使用などの影響が及び、さまざまな矛盾や歪みが生まれています。

肥満や生活習慣病は現代病でもあり、「ハレの日」と「ケの日」のような食生活のメリハリがないことがひとつの原因と言われています。

そんな時代だからこそ、ごちそうの「ハレの日」と、素朴な食事の「ケの日」というような食事を心がける食生活のメリハリが健康に繋がります。

日本人が毎日「ハレの日」を続けていくことで、人間の体と環境が持たないということが、医学や環境問題で段々わかってきました。

食事を「食べたいか…食べたくないか」「安く!安く!…」という基準で自分の食べる物を判断していては、自分の体と環境の未来はないと言われていることがとても心配なことです。

料理人がもてなす人達に、“おもてなしの心”を持ち続けることが、健康的な食事を作り続けられるひとつのコツなのかもしれません。

家族の健康や願いを込めた伝統的な「ハレの日」と「ケの日」をメリハリがある丁寧な暮らし…

私自身も四季や日本伝統を大切にした、丁寧な暮らしを心がけいきたい…。

そして、そんなの日常と非日常の料理のメリハリや、四季やおもてなしの心が、日本の食卓から消えることなく引き継がれていくことを心から祈ります。

 
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<健康を意識した目的別レシピ>
   




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一般社団法人 日本共育ライフ協会内

(合)共育生活研究所

“漢方養生士・中医薬膳師”として「薬膳・ローフードの食事」と、“LOHASライフスタイリスト”として「ロハスな生活」の講座を各地で行っています。


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