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料理酒10の効果と調理法で旨みを引き出す!おすすめ調理酒・糖質ゼロ・代用酒

 

食文化に密接な“調理酒”

世界どの国の先人たちも飲料として“お酒”を造ってきました。

お酒には食材の味を引き立てたり、保存性を高めたりする力があることに気づき、調味料としても古くから使われていました。

酒・醤油・みりんは、日本料理に欠かせない調味料です。

ほとんどの日本料理で使用される調味料ですが、理解して使っているようで、使い方を間違っていたために、酒の効果を生かし切れていないことが多いかもしれません。

料理酒の使い方を最大限に生かして、旨味を引き出し、美味しいお食事を頂きましょう。

例えば…味付けの基本「さしすせそ」

その「さしすせそ」の前に酒やみりんは使う方が効果的です。

砂糖がない時代から「さしすせそ」と言われていて、砂糖の「さ」ではなくて、酒の「さ」だという説もあります。

日本にしかないと言われている「うまみ成分」

日本文化であるダシの「うまみ」を最大限に生かす調味料だったのが「酒」だったのです。

味の決め手となる調味料である「酒」は、食材を引き立ててくれるので、効果や使うタイミングを覚えておきましょう。

 

料理酒の10の効果や役割

 

料理酒は際立った甘みや塩味などがあるわけでもないし、アルコールは熱で飛ばしてしまいます。

それなのに、米と米麹の旨みがある日本酒をふって蒸すだけでも和食になり、ワインだと酸味があり洋風、もち米に麹を加えてコクがある紹興酒で下味をつけると中華になるように、お酒ひとつを変えただけで様々な料理を楽しむことができます。

今回は日本食で使われるお酒、料理酒について綴っていますが、酒類であることからコクはちがっても効果は同じです。

料理酒の10の効果と役割についてです。

 

肉や魚の臭みを消す消臭効果

私は魚や鶏肉などを蒸すとき、料理酒のアルコール成分が臭みを取り除いてくれる効果があるので、必ず料理酒を少々ふります。

アルコールが熱によって蒸発するときに、食材のくさみをいっしょに飛ばしてくれます。

ひと手間で味が格段に良くなります。

使い方は、下処理をする場合と、そのまま熱を加える時、仕上げと三段階あります。

下処理に使う場合は、料理酒と塩をふりかけたり、料理酒の入った調味液に漬け込ん臭みをとります。

もう一つは、鍋などで煮るときに、「調味料さしすせそ」の前に料理酒を入れてアルコールと一緒にくさみをとばす方法です。

照りを出すために、最後に振りかける場合もあります。

料理酒の効果を把握し利用することで、使い方は様々です。

 

食材を柔らかくする効果

ワインや料理酒で煮ると柔らかくなる理由は、酒のpH濃度が関係しています。

pHは、酸性とアルカリ性の度合いを示す数値のことですが、肉に含まれるたんぱく質は酸性に傾くほど保水性が高くなるのです。

肉類がpH5であることに対し、日本酒でpH4・ワインでpH3なので、水分を吸収し食材の水分を逃がさない状態になって、食材を柔らかくしてくれる効果が料理酒にはあるのです。

パサパサな料理にならないように、ジューシーな魚や肉料理を作る場合、調味料に酒類は欠かせません。

 

まろやかにする効果

酸味や塩味をまろやかにする成分が、料理酒に含まれているので、とがった味が丸くなります。

料理の途中で、酢や生姜などとがった味が強く出てしまったら、水で薄めないで料理酒で調整します。

酢の物や和え物で加熱しない料理の場合は、煮切りを使います。

※煮切りの作り方は下記で説明しています。

他の調味料が溶けやすい性質があるので、ドレッシングやソースなどでも使用することで、まろやかな味になり、保存期間を延ばすことができます。

 

旨みや風味を出す効果

うまみ成分といえばアミノ酸(グルタミン酸含む)!

そのアミノ酸が日本酒にはワインやビールの約2倍も含まれています。

更に料理酒に含まれているぶどう糖やショ糖などは、甘味料や砂糖では出すことができない米の糖なので、上品な旨味を出すことができます。

 

甘みを付ける効果

お酒は米から作られているので、お米の糖のやさしい甘さをもっています。

煮物などで甘い味付けにしたい場合、砂糖やみりんに頼ってしまいがちですが、食材の自然の味の感じるには酒だけでも十分おいしくできます。

精進料理や上品な甘味だけで食べたい時は、料理酒だけでもおいしくでき、料理に深みが出ます。

 

焼き色をつけ照りやツヤをつける効果

焼いてきれいな照りやツヤがあると、とても美味しそうに感じますね。

料理酒の糖類が食材に膜を作って、加熱するときれいな照りやツヤができます。

たとえば、鶏肉は脂肪分が溶け出して、パサパサになってきれいな焼き色ができなかったりします。

そんな時、魚や肉を焼ために、塩をふったあとに料理酒をちょっとだけ塗ることで、表面はパリッとしているけれど中身がフワッと焼きあがって、適度な焼き色がついて香ばしくなります。

 

風味-良い香りをつける効果

アサリを蒸すとき、酒類を使用しないと味気ない仕上がりになります。

酒そのものの風味がアサリに加わるだけではなく、料理酒にアサリのエキスの旨みを引き出す力があるのです。

料理酒の豊かな香りが、食材の味を料理によって引き立ててくれます。

当たり前すぎて忘れがちですが、香りをつけるのも、大切な役目です。

 

煮崩れを防ぎ、おいしさを閉じ込める効果

煮物のレシピに必ず酒類が加わるのは、アルコールの効果によって煮崩れを防ぎ、味がしみ込みやすくなるからです。

煮崩れしている状態は、見た目が悪いだけではなく、栄養分も溶け出してしまいますが、栄養を閉じ込めていることでおいしくきれいにできあがるのです。

それは煮物料理だけではなく、日本風の浅漬けでも塩と一緒にお酒を振っておくと、調理酒の水分も加わってとてもおいしくなります。

塩も半分の量で十分味付けができます。

 

調味料の使用量を減らしている効果

塩分を控えるようにしている方は、塩を半分量にして、調理酒を利用するのをおすすめします。

アルコールが食材にしみこむ際に、他の調味料もしっかり食材につくので、使用する調味料の使用量を減らしても十分おいしいくできます。

魚の塩焼きなど、料理酒によって塩の浸透効果が高まるため、塩の使用量を減らすことができます。

 

保存性を高くする効果

手などの消毒にアルコールが使われますが、食材にもこの効果が使えます。

食べるものについて雑菌やバクテリアが増えることで傷んでいきますが、料理酒の成分がこれを抑えてくれます。

昔は医学的にも酒が使われたぐらい、貴重な消毒液でもあります。

 

調理法でうまみを引き出す料理酒!使うタイミング「さ・み」+「さ・し・す・せ・そ」

料理をする時に「さ・し・す・せ・そ」の順番に調味料を使うと言われています。

さ→砂糖
し→塩
す→酢
せ→醤油
そ→味噌

では、料理酒やみりんはいつ使えば美味しく料理ができるのでしょう。

それは、「さ・し・す・せ・そ」の前です。

よって「さ・み(酒みりん)」+「さ・し・す・せ・そ」の順番になります。

下準備として食材をお酒でふりかけたり、お酒に浸け込んで、イヤな臭いを加熱によってアルコール成分と一緒に飛ばすようにします。

調理酒を使うタイミングは先に使用することですが、他の調味料と合わせて一緒に調理に合わせておいて、熱を加えてアルコール分を飛ばしながら旨味や風味を出すこともあります。

また焼き色や照り・つやを出したい場合は、調理の一番最後に加えることもあります。

 

「煮きり」という技!火を使わない和え物に!煮切りの作り方

料理酒を一度沸騰させ、アルコール成分を飛ばした料理酒のことを「煮きり」と言います。

効果はわかっているけれど、酒の風味が苦手な方や、お子様のいらっしゃる家庭でも、完全にアルコール成分を飛ばしているので、「煮切り」をすることで料理酒が活用できます。

そして、火を通さない料理で使うことが多く、和え物や酢の物などの料理の時に「煮きり」を使うことによって「まろやかな味わい」になります。

煮切りの作り方

アルコールがとんだ状態を「煮切る」と言い、お酒独特のアルコール臭がしなくなるまで加熱して出来上がったものが「煮切り」です。
鍋に入れて煮るだけですが、レンジでラップをしないで加熱しても出来上がります。

 

酢の物で、酢が多めに感じたら煮切りを!

コクが足りない場合にも煮切りを!

煮切りがあることで、加熱しない料理でも、料理酒の効果を得ることができます。

 

料理酒の使い方いろいろ

料理酒の効果は、他にもいろいろあります。

焼きそばなどの麺をほぐす時に、水では少しベタベタした感じになりますが、料理酒を使用すると麺がちょうどよくほぐれてパリッとして美味しくなり、味もしみこみます。

それは麺類だけではなく、チャーハンなどでご飯を炒める時に、料理酒をちょっとふりかけることで、米がパラパラになって味もしみこみやすくなっておいしいです。

古いお米を炊くとき、古米臭さが気になる場合、お米1合(150g)に対して小さじ1杯程度加えることで、炊き上がりがいつもよりふっくらします。

ご飯が炊きあがって確認したら失敗して芯が残った時など、すぐの場合はご飯3合に対して料理酒大さじ1を入れて、保温時間20~30分ぐらいで美味しく食べられます。

料理酒は昆布とかつおでとった出汁(うどん4人分ぐらい)に、小さじ1程度煮だす最後に加えるとコクが生まれ、かつおの香りを抑えつつ昆布の味を引き出してくれます。

料理酒は思っている以上に、効果を知ることで使う幅が広がります。

 

料理酒の使い方で気をつけること-料理酒には「塩」が?

注意しなくてはならないのは、料理酒の中には「塩」が含まれていることが多いです。

食品規格の「料理酒」は、2%前後の塩分が含まれるようです。

これは酒造法によって定められていることで、酒税がかからない手頃なお値段で買うことのできる「料理酒」はとても便利ですが、飲酒としての「お酒」として飲めないように「塩分」を加える処置が定められています。

プロの料理人のレシピで使われる「酒」は塩分を含まない料理酒を使用した際の分量になりますし、素人さんのサイトで紹介されているレシピは、その家庭で使用している料理酒の量になります。

料理酒で繊細な甘味を加えようと思ったら、塩味が強くなってしまうということがあります。

加塩の料理酒は安価で販売されていて、「加塩」の料理酒を使ってしまうと、出来上がりに塩気がプラスされてしまうことになるのです。

「無塩」の料理酒はお値段は高くなりますが、塩分が入っていないので、塩分控えめにしたい方や、食材の味を引き立てたい方は、「無塩」の料理酒を選ぶようにしましょう。

または、料理酒を使用しないで日本酒の「清酒」を料理酒として使うこともできます。

高級な和食専門店でも使われることが多いので、繊細な味の調節に使う技として、塩分の入っていない料理酒や清酒を使うのがおすすめです。

 

代用料理酒-料理酒の代用に使う酒類

和食では、料理酒を使ったレシピがたくさんありますが、「料理酒を切らしていた」と、買い物から帰ってきたら思い出したり、料理の最中に気が付いてしまうこともあると思います。

そんな時は、家にある酒類で代用することができます。

日本酒

私はあえて日本酒を料理に使うこともあるので、代用する感覚ではないのですが、料理酒が切れていたら日本酒を使ってみてください。

日本酒は料理の仕上がりをとても良くしてくれます。

しかし、アルコールが残るのではないかと心配だったり、アルコールの臭いが嫌いという方もいらっしゃいます。

代用する際は、料理酒の量と同じ量で同じ効果を得ることができます。

みりん

みりんで代用する場合は、「本みりん」を使用してください。

「みりん風調味料」には、ほとんどアルコール分が含まれていないので、アルコールの成分が入っている「本みりん」を使わないと効果がありません。

そしてみりんには甘みがあるので、煮物等で砂糖を使う時、ちょっと砂糖を少なめにして味を調節するようにしましょう。

代用する際は、料理酒の量と同じ量です。

白ワイン

洋風の料理では味付けに白ワインを使うことも珍しくありませんし、同じ効果があります。

私は煮物でも、ワインを使うときは、ニンニクやバターを使って洋風メニューに変更して煮物にしてしまうことが多いです。

和食で白ワインで代用する場合は、クセがないものを使用して、アルコール分をしっかり飛ばすと気になりません。

代用する際は、酸味が強いワインは避け、料理酒の量と同じ量でかまいません。

ビール

ビールならある…というご家庭が多いのはないでしょうか。

ビール煮のお肉など柔らかくなって、美味しいのでレシピも多くあるので、料理酒の代用として使用することが可能です。

肉料理に使用するのがおすすめ!

日本酒などと同じように、食材の臭みも取れて、日本酒とは違う美味しさがあります。

代用する際は、料理酒の量と同じ量です。

 

おすすめの料理酒!添加物が少ない「純米酒」を選ぶ

 

スーパーの棚に多くの調味料が並んでいます。

TOMOIKUで料理酒としておすすめなのは、米・米麹以外の原料をあまり使っていない、添加物の少ないものです。

日本酒の中でも、精米度が高いものは「純米酒」と表記でき、米・米麹を原料として醸造アルコールを使っていません。

食塩などを加えたものもありますが、味の調整が必要になるので注意してください。

高価なモノが必ずしも良いモノとは限りませんが、製造にあたり手間がかかっていたり、米そのものにこだわっているものや、伝統にこだわっているモノを料理に使ってみると、やはり美味しいです。

でも、家計的に限度があるので…個人的に価格や原材料や製造方法、そして健康などを加味して、私が気に入っている3点を紹介します。

 

純米料理酒:大木大吉本店「こんにちは料理酒」全国新酒鑑評会で金賞を受賞

140年以上にわたり、純米酒造りを続けている大木代吉本店の料理酒は、素材の栄養をそのまま活かした生成りの料理酒で全国新酒鑑評会で金賞を受賞しています。

白米と共に玄米と酒粕をもろみの中でゆっくりと醸造して、素材の栄養をそのまま生かした生成りの料理酒です。

そして、手造りの料理専用純米酒です。

通常の料理酒に比べて、旨み成分であるアミノ酸の量が約4倍入っているので、通常のレシピに表示されている料理酒の分量の1/3~1/5を目安に使っても十分に美味しくできます。

アミノ酸と糖が結合する事に生まれる自然な現象を生かすことが品質の高さの表れで、天然アミノ酸の濃度が高いため、清酒と比べて深い色合いです。

一般的な料理酒は酒税法の適用を受けないために塩や酢を入れているものが多いですが、塩等は一切加えていないので、とても上品な味に仕上がります。

私は美味しい煮物を作りたいときに使っていて、メインの料理酒にしています。

 

 

マンジョウ国産米こだわり仕込み料理の清酒:キッコーマン

国産米を100%使用した食塩無添加の「清酒」で、魚や肉の臭みを消す「有機酸」が40%アップされている造りで、料理をおいしく仕上げられ、清酒特有の「香り」が抑えられています。

「くびれプッシュボトル」なので、注ぐ量を片手で自在に調節できるため、下味のつけの時に、食材に直接振りかけて使うことができるので、とても便利です。

魚や肉にふりかけるとき、食材に直接少量を振りかけることができるので、そのひと手間が面倒ではありません。

私は食材を焼くときなど、ちょっとだけ食材に必要という時に使っています。

 

料理のための清酒-糖質ゼロ:タカラ酒造

現代では意識していないと糖質が多い食事になってしまうことから、糖質に気をつけるようにしている方が多いのではないでしょうか。

タカラ酒造の「料理のための清酒」<糖質ゼロ>は、糖質と食塩がゼロの清酒なので、糖質と塩分が気になる方におすすめです。

原材料は国産米を100%使用していて、タカラ酒造の酵母の働きによって、飲む清酒よりも旨み成分が豊富で、約20%もアップできたとのこと。

酵母の働きによってアップされた旨みは、料理をしていて思った以上に美味しかったです。

 

料理酒には、酒類調味料の本みりん・合成清酒・料理用清酒などがあります。

調味料を良いモノに整えると料理が本当に美味しくなりますし、料理中に加えるひと手間がグッと質をアップさせます。

料理酒の効果を活用して、料理の腕をワンランクアップしてくださいね。

 
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<健康を意識した目的別レシピ>
   




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