TOMOIKU*ブログ
2.172017
【鰹節-かつおぶし】UMAMI-旨味が日本発トレンドに!「日本人の旨み味覚」未来に託す!
Contents
鰹節-かつお節は世界に発信する日本発トレンド!災害時の保存食に?
私が子供の頃、朝起きると朝食作りのお手伝いで、鰹節削りが義務かのようにさせられていたので、良い印象がなかったのですが、今になって懐かしく、あのおいしい「かつおぶし」が食べたくなってきました。
孫と鰹節の話の中で「パックになっているもの」という認識だったので、思い切って鰹節削り器を購入して、見せてあげることにしました。
他に「鰹節」が気になっていたのは、数年前に日本で大きな災害があり、TVで災害時の準備のようなテーマで話をしていた時の話。
その時に、どこかの教授が「塊の鰹節を噛じって、水さえあればいい!」なんて豪語していたのです。
鰹節は発酵食品で様々な栄養が含まれている万能な食材なので、齧ることで咀嚼という行為で満たされ、唾液が多くでることで殺菌ができる…豪語するというよりも、理にかなっていたことだったんだと、後で調べたので理解できました。
「登山には鰹節」と言われていて、戦争の時は保存&非常食になっていたので、体力補給に優れている食品なのは先人の知恵だったのです。
ただ、今さらゴリゴリと削っていくのも…と思って、月日が経ってしまったのですが、このブログで「ていねいに暮らす」というテーマを考えているうちに、今年は日本の大切な文化や技術について調べてみよう…と思ったのです。
外国人は日本で言われる「旨み」という感覚がわからなく、日本独特な言い回しとのことです。
世界のシェフが挙って「日本の旨み」を学ぼうとしている記事を読んだことがあります。
現代の濃くて化学調味料の味に慣れてしまうことで、日本人が愛し親しんできた「旨み」という味覚を失ってしまうことは、とても残念なことなのではないか?と思いました。
うまさの科学 京の出汁(ダシ) – 京都大学の資料から
「日本人は油の代りにダシの旨味をうまく利用してきました。ダシの味も、食べ慣れると執着が起こる味ということが分っています。子供達にダシのおいしさを教えることで、日本の食文化や健康を守ることにつながっていくと思います。
日本の子どもにカツオや昆布の香りを好きになってもらうことが大切だと説く。「日本の出汁のおいしさを教えないと、いつか外国人のように『まずい』と言う時代が来るかもしれません」
<出典:「うまさ」の科学 伏木 亨 氏>
ユネスコ無形文化遺産「和食」の基本-出汁のUMAMI-鰹節の旨み
「世界のベストレストラン50」の料理界のアカデミー賞と呼ばれるランキングで、3年連続世界一に選ばれたデンマークのレストランのシェフも、京都で「旨み」学び、かつお節ならぬ、鹿節を作ったようです。
いぶして熟成させた鹿肉を薄く削って湯に放ちて、野趣あふれるスープを生み出しました。
日本のみそから着想を得た、えんどう豆、Pea(ピー)で作ったPeaso(ピーゾ)でラム肉を漬けてグリルにしています。
デンマークの海草を煮出した汁を乾かしたりと、北欧のさまざまな食材から、旨味を引き出して、革新的なおいしさを追求しています。
「日本料理のように、できる限り素材を生かし、そこにうま味を加えることで、その味わいをより深めるのは、実に美しい料理法だと思う。」
<料理研究開発 担当 ベン・リードさん>
日本人は白米で甘さを感じ、欧米人が甘さを感じるのは蜂蜜や砂糖なのです。
そして、日本は海に囲まれ多様なおいしい魚が獲れるので、旨味たっぷりの昆布やかつお節を食べているうちに魚食文化となり、自然と旨味を感じる力が育ってきて、「旨味」を知る食文化となります。
そのため、日本では独特の魚保存技術が発達して、燻す「鰹節」という技術がうまれたのです。
鰹節に発ガン性?ヨーロッパの方々に、日本の燻製技術を理解してもらう!
鰹節は製造過程で薪を使って、「いぶし」を繰り返すのですが、それは雑菌の発生を防いで独特の香りを作る大事な工程です。
しかしEU(欧州連合)欧州委員会は、焦げの部分が発生しカビを付着させることから、発がん性物質とされる「ベンゾピレン」が基準値を超えて発生するとして、鰹節の輸入を認めていませんでした。
食材が焦げることや燻される発酵は他国でも多くあるのですが、乾燥・熟成にカビを使う点が理解できないようです。
国連食糧農業機関(FAO)などは「通常の食生活における健康への懸念は小さい」と結論づけているので、ベンゾピレンを排除して「鰹節」を作る工場を、国を揚げてフランスに建てるのだそうです。
チーズの黒カビを気持ち悪いと感じるか、おいしいと感じるかという問題は、「腐敗したもので気持ちが悪い」「発酵したものでおいしい」という個人の気持ちの問題なので、ヨーロッパの人に、魚にカビ菌をつけてつくるという「発酵食品」の工程を理解してもらうしかありません。
出汁-鰹節の栄養と効果
私たちの体に欠かすことのできないタンパク質・ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸とビタミン類や、カルシウム・ナトリウム・カリウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛・銅とミネラルなども豊富に含んみ、栄養いっぱい!
体内で合成することのできない9種類の必須アミノ酸が全て含まれていて、「旨味成分」のイノシン酸という成分を中心に、30種類以上の成分が含まれています。
日本料理を代表する旨味3大成分
- イノシン酸…鰹
- グルタミン酸…昆布
- グアニル酸…椎茸
日本食には欠かせない食材ですね。
その鰹節は良質のカビを繰り返し付ける加工をすることによって旨み成分をしっかり閉じ込め成分をギュッと凝縮させ、生のカツオより鰹節の栄養価は約3倍にもなっているのです。
そして、「鰹節のイノシン酸」と「昆布のグルタミン酸」の相性がいいように、グルタミン酸が含まれているお醤油を鰹節にかけることで、とても美味しくなりますね。
様々な栄養素から考えると、降圧作用や、疲労回復・骨や筋肉や血液を作る・ストレス解消や不眠症・新陳代謝を高める・疲労回復や集中力を高める・血圧の上昇を抑える・脂肪の酸化を防ぐ・動脈硬化の予防・美容・むくみを解消・美肌とダイエット効果など、様々な効果が期待されることから、戦時中は保存食だったように、現代の災害時には非常食と勧められることが理解できます。
わざわざ鰹節削り器を用意する必要な家庭はないと思いますが、削りたての鰹節はとても美味しかったです。
二人の孫は、削った鰹節をそのままパクパク食べちゃいましたが、これからは美味しい出汁を作るようにしていこうと思いました。
私達は、鰹節や昆布など、身近に世界に誇る旨味食材があるのですから、味覚力を正常に保って、健康に良いものを「おいしい」と感じる食生活を心がけていきませんか?
そして、日本の食文化であり、無形文化遺産でもある「日本食」を未来の子どもたちに、ちゃんと伝えておきたいと思うのです。
<健康を意識した目的別レシピ>
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